日記

今日の話。

 

向かい風の中、私は用事のために自転車を漕いでいた。

この季節だからわかると思うが、寒い風なもんで。

だから寒がってると思うだろ?思ってたら外れだね。

時間がなくて、ちょいと急いでたもんで。だから、こんな寒いのに息切らして身体から蒸気が出んばかりのあったまり様だったよ。

ふしゅー、ふしゅーと白い煙出してさ。口からぜーぜー鳴ってさ。

 

そんなことしてたらな、まるい毛玉がいっぱいあったわけよ。右側の視界に映った公園にな。

なんじゃこりゃ、と自転車漕ぎながら目移したらな、あ、皆は前向いて自転車漕げよ。

 

「ネコ」

 

だったわけよ。いっぱいの。

んで、キジトラだのシロだのクロだのの毛玉にあぁ、かあいいなぁとかほのぼのしてたらよ、そん中の数年前からよく見る右足が使えなくなっちゃってるキジシロちゃんがよ。

 

 

 

こっちをただ、ただひたすらに眺めている。

 

 

 

 

…あ、すみませんでした。と思ってまた白煙上げながら自転車漕いだよ。

「あー、アレが猫集会とゆーやつかい。そりゃ、二本足の肌色のやつが見てたら警戒すんだろな。すまんかったなぁ。」

なんて思いながら、用事の場所へついたから

「こんにちはー。」

と中へ。

 

 

 

 

2時間ほど経って

「お疲れ様でしたー」

と気だるく棒読みの調子で出てきた。

 

「まーた向かい風かい。この、地球め。恨むぞ。」

なんていう馬鹿なセリフを脳内に出さして、自転車のペダルを2,3回逆回転に踏んで空回りさせりゃ よし、と言って重いペダルを今度はちゃんとした方向に踏んでやった。走った。自転車は。

 

んで、またあの公園が、次は左の視界に映ったからまた同じように目を左にしてやった。さっきと違うところとすりゃ、自転車を降りたところかな。

すると、ちょうど毛玉は解散してるところだった。

 

キジトラが草に入って、白いのは団地に向かって、黒いのは闇に消えて。

おや?おやや?さっき私を凝視してた右足が使えなくなっちゃってるキジシロちゃんがこっちに向かってくる。

 

で、それを眺めてたら

 

 

「ミャウ」

 

と一声。で、自然に

 

「どうも」

 

と返してしまった。

キジシロちゃんはしっぽをゆらっと立てて、そのまんま足を引きずりながら向こうの方へ戻ってった。

 

 

「ミャウ」

 

 

って何だったんだろうか。

よくわからないから、またキジシロちゃんに会うのなら、猫流のあいさつである「ゆっ~くりとまばたきをする」ってのをやってやろうか。

 

そん時は、また「ミャウ」と鳴くことを信じて。